症状固定、後遺障害診断

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2004年3月中旬、事故から7ヶ月半経った頃、自宅からタクシーで週2回のリハビリに通っていましたが医師からそろそろリハビリの効果も行くとこまで達したというようなことを母は言われました。かといってリハビリを止めましょうとは言わない。だから母としては続けるようだったのですが、後遺障害の認定を早くしておいた方がよいと考え任意保険会社の担当に後遺障害診断書の用紙を送るよう依頼しました。医者がとめないのでダラダラとリハビリをしていると体が治ってしまい後遺障害が軽くなって障害として保険上は認められなくなるということがあるそうです。そうなってしまうと後の損害賠償上不利です。そうでなくとも後遺障害認定は個々の後遺障害を測定しやすい少数の基準で無理やり等級分けして認定しますので各人の後遺障害のきめの細かい考慮は無く、基準にのらないところは切り捨てられパターン化され処理効率優先のような感じです。ある等級に僅かに届かないということでも中間は無いので非情にも下位等級になります。また保険屋は治療費の負担は早く打ちきりたいので事故後半年も経てば後遺障害認定を依頼するのは一般的に認められているようです。体が治り後遺障害が軽くなるのはとてもよいことで歓迎すべきことです。もちろん医師がはっきりと未だ症状固定ではないと診断してるなら治療を続けるべきです。ですので半年は一つの目安、チェックすべき時期と考えてください。母の場合は医師が症状固定をそれとなく伝えてきたことと手術から7ヶ月でもありましたので後遺障害診断へと進めました。 もちろん改善が微々たるものでも、また改善は無くとも症状固定状態を悪化させることなく維持するのに必要なら、治療は後遺障害認定後でも健康保険を使い出来ます。実際母は後遺障害として残った疼痛を悪化させないために健保で医師の指導のもとリハビリを続けています。(注:後遺障害認定後を後に回しても不利にならないことがハッキリしてるなら治療を保険屋負担で続けたほうがよいですので個々の場合に則してよく考えて下さい。ご参考:あと症状固定後その状態維持のための医療費等を認めている判例があります。)

ここら辺のところはNPO交通事故無料相談 -- 交通事故110番 に大変詳しく書かれています。このページは損害賠償でいかに実利をとるかといった観点から医者との接し方から後遺障害や保険屋との交渉について長年の実戦からの貴重な経験、ノウハウを教えてくれます。また便利な手引き書(キットと呼ばれてます)販売や個々の相談や少々の費用で診断書分析等のサービスを提供してくれています。まさに交通事故被害者必見のページといえます。母の件でもこの頃からお世話になっています。本当はもっとはやく事故当初からこのホームページを勉強すればもっとよかったと思っています。

後遺障害診断書は必要なところが記載され該当しないところは未記入のまま空欄となります。担当医に用紙を渡し後遺障害診断書作成を依頼したらすぐに機能障害の測定を行い一週間ほどでできました。文書料は税込みで5250円でした。母の場合診断書に書かれた内容は次の通りでした。

自賠責保険後遺障害診断書の内容

  • 入院期間77日、退院から症状固定までの通院期間154日(実通院43日)
  • 傷病名:左大腿骨転子下骨折
  • 自覚症状:左下肢筋力低下、疼痛
  • 各部位の後遺障害の内容
    • 精神・神経の障害、他覚症状および検査結果:
      左下肢が軽度筋力低下がありT字杖歩行をしている。
      左股関節〜大腿部痛が若干残存している。
    • 関節機能障害

      関節名

      運動の種類

      他動

      自動

      股関節

      屈曲

      120

      105

      110

      105

       

      伸展

      20

      15

      10

      10

       

      外転

      20

      25

      20

      10

       

      内転

      10

      10

      10

      15

       

      外旋

      30

      35

      30

      30

       

      内旋

      40

      35

      30

      25


  • 障害内容の増悪・緩解の見通しなど:[記載なにもなし]

この診断書は非常に重要です。なぜならここに書かれた内容が後遺障害等級の判定もとになるのですから。一度等級が決まりますと後遺障害の慰謝料とその逸失利益は等級から計算されるからです。ですので被害者側はこの診断書の記載内容をよく理解し、かつ診断書を提出する前にどの等級に該当するのか見当が付けられないといけません。被害者としては自分の障害を余すところなく記載して欲しいものです。出来ればどのような機能測定が行われるか調べておいた方がよいです。等級判定はたった1度の角度の違いでも下位のランクに分類されることもあるのですから自分に有利に測定にのぞむべきです。この点、私は勉強不足でした。後悔していますが、母に事前に効果的なアドバイスができませんでした。すなわち関節がどこまで曲がるのか測定するときは怪我の側(母の場合左足)とそうでない健康な側との比較で機能制限をみるのですが、このとき健側は目一杯頑張って曲げねばなりません。医者はそんなアドバイスなどはしませんから。かといって母の場合測定時に医者が特に障害側の足に力を加えて来たそうでもなかったようですが。(上表で自動とあるのは自分で動かす場合です。他動とは他人が力を及ぼして動かす場合です。)皆さんは「交通事故110番」などをよく勉強されて後悔無い様にしてください。

診断書の内容が不足していたり被害者の障害を適切に記載していない場合は困りますのでよく出来てきた診断書を吟味してください。よく勉強したとしてもここで一度、専門家に一度相談する必要があるとおもいます。専門家といっても私は相談してくれる人など知りませんので、「交通事故110番」が提供してくれている後遺障害診断書の分析サービスを利用しました。


補足
本ページを見た方からメールを頂きまして、症状固定時期を故意に選んで保険金をもらうのは サギまがいじゃないかとの指摘がありました。実際には医師の後遺障害診断書で判定されますので 問題にはならないと思います。もっとよくなると医師が確信しているなら後遺障害診断書は現時点では 書かないでしょうし、万一書く場合は障害内容の増悪・緩解の見通しを記入するとおもいますので。 問題はもう症状固定しているのに知らせてくれない医師がいます。また知らせても母のようにリハビリ を積極的には中止しない医師もいるのでしょう。ですので怪我の手術や処置が終わって快方に向かい はじめたところから6ヶ月をひとつのチェック時期ととらえてよいと思います。すなわち医師へこちらから 改善の見通しを聞くべきでしょう。

あと症状固定とはそもそも医者が本当に分かるのかという問題もあります。悪化しないとか、改善しない とかは経験上一般的におおよそはいえるのでしょうが神様でも無いのに一人一人については正確に はわかりません。本によりますと症状固定というのは損害賠償を一回的に済ませるための損害保険の 概念だそうです。医師の辞書にはない用語のようです。たしかにもうこれ以上直せませんという敗北宣言 ともいえなくもありませんので進んで言わない医師もいるのではないか、なんて思ったりもします。 ですので被害者側も適当なところで症状固定として医師に後遺障害診断をお願いしてみるのは妥当な ことだと考えます。

上記の関節機能障害の測定をみてなにかお気づきになりませんか。 角度の測り方が5度単位になっているのです。大雑把です。母に角度を測る 測定器の目盛りはどうだったのかあとで問いただしましたがよく覚えていなかった のですがこの結果からすると誤差の大きい大まかな測り方と思われます。 整形の診断などはこんなものなのでしょうか。だとするとギリギリの線上の 被害者はいい方に転べばいいのですが、反対のような気がしてこんなことで いいのかと不信な感じがわいてきます。私は角度の測定器を大きなコンパスと 分度器を組み合わせて作ってみました。これで母の関節可動域を測ってみましたが十分意味のある 測定が1度の単位まで出来ると思いました。



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