専門家の意見を聞く--交通事故法律相談

9月に入って損害賠償請求についてプロの意見を聞きたいと思い弁護士会の 法律相談を3回、利用しました。最初のは大宮そごうデパートで土曜に開かれ ている一般の法律相談(有料30分5000円)でしたがこれは期待はずれでした。 短い時間なのでポイントを損害賠償額に絞って臨んだのですがポケット版の 六法全書を一冊携えて出張してきている弁護士は答えられず有料であるのが 申し訳なさそうに資料がないのでと言い訳していました。 (弁護士会の開いている交通事故法律相談は30分、無料です) ということで交通事故と銘打ってある法律相談をお勧めします。

そこで日弁連交通事故相談センターが各地にありますが東京の霞ヶ関の方は 先着順なので朝行って朝のうちに相談できました。 そこで持参の書類を見せて 後遺障害等級、入院・通院日数などをお知らせして損害賠償額を算出していた だきました。弁護士の使う俗に言う弁護士基準がまとめてある「赤本」を参照 しながら入通院慰謝料、休業補償、逸失利益をすぐに出してくれました。 自分で本を参照して計算した値とそう違わず確認になってよかったです。 本に書いてあったことの理解が正しかったと自信になりました。 次に保険会社が出してきた最初の損害賠償額明細を見てもらってコメントを いただきました。母の場合は同居主婦労働になるのですが 逸失利益期間を2年としてあるのですが、これに対し2年は短すぎるようだが、 後遺障害14級の場合、裁判してもせいぜい5年まででしょうとのことでした。 休業補償については通院期間の半分くらいの期間を休業と認めてもいいのでは ないかとのこと。ここで算出してもらったことで交通事故相談センターにこのくらい と言われたといって保険屋と交渉ができるのも一つのメリットです。

相談に乗ってくれた弁護士は裁判まで行うケースではないとの想定で話をして くれていたようで、最後に次のアドバイスをもらいました。家屋改造費などは任意 保険では認めないだろうが交渉材料として使える。また後遺障害について争う なら自賠責の認定に対し異議申し立てにすべきで、例えば14級と12級のはざま のところを交渉するのは困難だとのことでした。個々の被害に合った損害請求を するとなると大変なようです。母程度の事故では裁判で上乗せを狙う額以上の お金が必要になるようで弁護士は 無理だというような顔をしていました。 しめくくりは 「弁護士会の調停サービスが必要なら再度、交通事故相談センターで相談を 申し込んで調停を申し出てください。」でした。

このころ母が近所の医者でリハビリをしたいと言い出しました。自分で筋力の回復 のために勤めて運動をしてきましたが却って筋肉が硬くなったり怪我したところが晩 に眠れぬほど痛むからだそうです。また我流のリハビリで腰も影響が出てきたとか。 そこで週2回、健康保険を使い一回240円が 掛かりますが近所のリハビリ科にかかることにしました。任意保険ではこういった 症状固定後の治療は無視されますが症状固定状態を維持するたの医療費も 本来は被害者に支払うべきです。そもそも症状固定というのは保険屋の便宜の ためにあるものです。症状は悪化することもあるでしょうし、逆によくなることもあるで しょう。医学的にずーっと固定というのは全ての場合にそうそういえないのでは。 症状固定とは単に損害賠償のケリをつけるために考え出された便宜的区切りと 考えて良いと思います。ですので母のような場合は通い始めたリハビリの請求も できるのでは?と疑問がでてきました。そもそも自賠責の認定だけで交渉がされる のはおかしい。もっと別の弁護士の意見も聞いてみたくなりました。そこで次の相談 では自賠責の後遺障害として捉えられていないところの後遺障害をどう賠償させるか もっと追求してみることにしました。

3回目は埼玉弁護士会法律相談センターで相談をお願いしました。ただ東京と違って 申し込んでから2週間待たねばなりませんでした。相談は「自賠責の後遺障害として 捉えられていないところの後遺障害をどう賠償させるか」の一点に絞りました。このとき の弁護士は、「たとえ自賠責の14級以下のものでも後遺障害としてはあるのであるから 14級の労働能力喪失率5%だけとはいえないであろう、例えば7〜8%という主張は できるので自賠責が認定したもの以外の障害も認めろ」ということになる言いました。 ただ紛争処理センターで主張してもこのような主張は保険屋は認めないだろうとのことでした。 ということは裁判なのですが、裁判は最低でも1年かかるそうです。途中で和解という パターンもあるとのことでした。あまり賠償金が安いと依頼者も弁護士も儲からない ので裁判する人もそういないのではないですかと聞くと、そんなこともないそうです。 100万円の争いでも裁判をする人はいるそうです。どの弁護士もそうですが裁判の結果 については事前にどうなるかは分からないといいます。こんな30分の相談ならなおさらです。

埼玉での弁護士の相談もわずか30分ですがいろいろと示唆に富んだもので充実した 30分でした。例えば保険屋は主婦業の休業損害の計算には高齢女子労働者平均 賃金になぜか0.7を乗じて減らしていますが、弁護士は憤慨したような口調で「0.7を かける正当な理由を聞くべきだ。そこらの事務なんかに比べれば主婦業の方が大変 でしょうに」と本に書いてあるのとは違う見解を教えてくれました。また自賠責から取れる 分は被害者請求を行い取っておくとよいとのことでした。この弁護士の方は、「短い相談 なら電話していいよ」と名刺をくれました。とてもうれしくなりました。

まとめ
保険屋は社内規定があるのでそれを超えてまでは通常の示談交渉ではできないそうです。 自分の主張を通すなら裁判しかないようなことをどこの弁護士会の 相談でも言われました。裁判は弁護士が代理するので依頼する側は時間はあまり 取られないそうですが期間は1年くらいかかり、結果はやってみないと分からない。 私の母 のような程度の交通事故ケースでは賠償額的に裁判費用を差し引いて 得するのか、もちろん争ってみないと分かりません。たしかにそういうことなのですが 弁護士相談してみてよかったのは「自賠責14級程度の等級では弁護士に依頼して 訴訟の提起も不可能」ということでもないということが分かったことです。 自分の主張を通して正義を訴えてみたい、この気持ちは理不尽な状況に置かれた 交通事故被害者では大きいですから。





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