一括払い制度は上述のように便利ですが、後遺障害があるときは自賠責保険の後遺 障害等級認定も任意保険会社が窓口になって行ってくれます。この場合、被害者は 後遺障害診断書を任意保険の保険屋に送るだけですが、保険屋は主治医に会って 話を聞いたりレントゲン写真を借り出したりして医療調査を行います。保険屋はそのため に被害者から同意書を取るのです。そうして資料をそろえて損害保険料率算出機構の 自賠責損害調査事務所へ等級認定を依頼してくれます。(と同時に任意保険の支払い を少なくするためのアラ探しも医療調査ではしていると思った方がいいでしょう。例えば むち打ちで治療が長引いているが過剰診療であるとみなせるような証拠を探している かも知れません。)
自賠責の後遺障害等級が認定されると、その時点で自賠責に対しては請求が可能です。 しかし一括支払いの場合は任意保険との話し合いは後遺障害等級が決まってから始まる のです。よって保険屋との交渉が長引く時はすぐもらえるべき自賠責のお金がもらえない ことになります。後でもらっても待たされた期間の利息は示談の時は付きません。額が 大きく期間が長いときはばかになりません。従って示談ではなく裁判で保険屋と決着を つける場合は法定利率(年5%の複利)で利息も支払ってもらうことになります。5%ですから 無視できないでしょうね。そこで後遺障害等級が決まって長引く時は次に述べる被害者請求 を行い自賠責の支払いを任意保険を通さず直接請求できます。
そのメリットですが、長引く交渉に被害者はまいっているでしょうから自賠責のお金はすこし 慰めになるかもしれません。また弁護士費用とすることも出来ますのでそのお金で裁判で なくとも相談に乗ってもらうのもいいでしょう。 (裁判なら保険屋に弁護士費用も請求できますがその前に手付金を弁護士に払わないと いけませんが自賠責のお金を充当できます) あと、保険屋さんを出し抜いて請求してしまうのですから小気味いい感じも少しありました。
そこで自動車保険請求相談センターに電話して任意保険との交渉中における被害者請求の 具体的なことを聞いてみました。それによると後遺障害認定がおりているなら簡単だそうで、 必要書類は自賠責の請求書用紙を記入し、事故証明、印鑑証明、等級認定票のコピー を添えて請求すればよいとのことでした。自賠責の支払いは傷害にたいする損害(治療費) と後遺障害(または死亡)にたいする損害に対して行われますが、1年(事故から?)を経過 すると傷害にたいする損害については加害者側が一位の請求権を持つそうで、母の場合は すでに治療費として既に任意保険が請求してるだろうとのことでした。後ほどこのところを確認 するために「任意保険が被害者に優先して治療費を自賠責から取れるのはどの時点か」 と訊いたのですが任意保険が治療費を立て替えている場合は被害者側が傷害にたいする 損害については請求できないとのことでした。
請求書用紙は電話で頼めば送ってくれるとのことで加害者の自賠責保険扱い損保の あいおい損保(大東京火災と千代田火災が合併したもの)へ早速電話しました。 加害者の氏名と自賠責保険の番号を聞かれ、すぐ送ってくれました。 「交通事故110番」で出している”被害者請求セット”は請求書の記入の実際がよく説明 されており参考になります。必要なところだけ記入すればよく全ての欄を無理に記入する よりかは無記入にしとくそうです。間違って記入すると訂正を要求されるそうですが無記入は 無記入でそのまま通るのだそうです。診療報酬明細書も添付するように請求書用紙同封の 説明書には書いてありますが、病院にゆくと任意保険にすでに発行した、一回しか出さないと 言う。そういうもんのようです。”被害者請求セット”によるとそういう書類は任意保険側がファイル している旨を自賠責請求の時に一筆書いて通知しておけばよいそうですのでそうしました。
11月22日に簡易書留で送付。受け取りの通知もなにもこない。一月ほどかかるということなので
しばらくはじっと待ちました。送金通知が12月22日着。丁度1ヶ月であった。あっけない
もので全ては郵便で済み、送金の通知には障害等級14級の相応額、総額75万円とあるだけで
理由も内訳も無い。死亡の場合も額だけなのだろうか。なんだか空しいものもありました。
事故から1年半経った2004年の暮れはこうして過ぎてゆきました。
(なお傷害にたいする損害分の120万円は保険屋が取っていたわけです。)
まとめ
自賠責保険に対しては被害者が任意保険とは別に請求をできます。自賠責のお金ですこし 慰めを先に得られるかも。弁護士費用へ充当するなど活用できます。