請求明細書を送りつける
自賠責の後遺障害等級が認定され保険屋からは通院交通費の報告書をタクシーの
領収書とともに送って欲しい、そうすれば賠償の計算をすると電話が来ました(7月30日)。
そこで通院交通費以外の賠償項目を聞いておきました。母の主婦業としての休業損害も
含むとのことで一応納得。通院交通費以外の領収書の経費については規定に従い
検討するとのこと。このときの担当は最初の担当者とは違う二人目の担当で、5月の
終わりに引き継いだ旨の手紙が突然来て、この電話で初めて声を聞いたのでした。
で、報告書にタクシー領収書をつけ送りましたが、杖、手すりなど家屋改造や
バリアフリー用品の請求もする意向だと書き送りました。私としてはその他の経費について
社内規定ではどのようになっているのか文書で返事が来るであろうことを期待していたのですが
帰ってきた返事は「タクシー領収書とともに通院交通費報告書をお送りいただきまして
有難うございます。家屋改造やバリアフリー用品の請求もなさるとのことですので
そちらの方もお待ちしています。」というあいまいなものでした。
私は相手の出方を伺っていたわけですが、ここにきてこれでは埒があかないと判断し、
8月末にこちらの考える請求明細書を保険屋担当氏に送付しました。交通事故損害賠償
の本を見ても被害者側から請求しようとあります。この場合、下手に請求して損をしない
ようにしないといけないです。最初は保険屋から出してくる提示を待って、そしてそれを
拒否して被害者側の請求をぶつけてもよいのではないかとも思います。請求にあたり
自賠責基準、任意保険基準、裁判所(弁護士)基準のそれぞれで賠償金を計算し比較
しましたし、どのような費用が請求できるのかもらさず本で調べました。しかし所詮素人
ですので専門家の相談は早いうちに得ておく必要があります。
こういう交渉では常識でしょうが、最初に出す請求は正当な理由が述べられる限り
目一杯行います。交渉で請求を減らして行くことになるのですが、その交渉の余地を
見込んで目一杯やるようにします。請求明細書を送ってから一週間ほどで「損害賠償額
のご案内」という一枚の手紙が届きましたがこちらから請求した額の半分以下の提示
でした。
このころ出した請求明細はA41枚の至ってシンプルなもので、医療費実費の他に
次のものを項目別にあげて請求しました。
- 休業補償
家事労働(主婦)なので賃金センサス女子全年齢平均値に基づく事故の日から症状固定の日までの分。主婦業は年齢、学歴によらずなすべき仕事は同じであるという考えに基づきました。詳しくは交通事故損害賠償の本を見てください。大きな図書館で閲覧できると思いますが、弁護士が使用する「赤い本」、「青い本」は参考になります。
- 入院雑費
裁判所の基準、1日1500円で計算。
- 慰謝料(入通院慰謝料+後遺障害慰謝料)
ともに弁護士基準で保険屋にぶつけました。後遺障害慰謝料は自賠責の後遺障害等級に基づきましたが自賠責で認めていない後遺障害は切り捨てになりますので後にこの点は大きく主張を変えたところです。
- 逸失利益
後遺障害等級14級(労働能力喪失率5%)、喪失年数は73歳女平均余命の半分とし、賃金センサス女子全年齢平均値および年利2%のライプニッツ係数に基づき算出。法定利率は5%ですがいまどきそんな有利利率はありませんので2%で計算しました。この計算でも自賠責で認めていない後遺障害は切り捨てになりますので後に主張を変えました。
- 着衣損傷
事故の時に着用していたスラックスがだめになったたための請求。
- 通院交通費
タクシー代ですが領収書を取っておきます。領収書は提出しますが、写しを手元に残しておきましょう。
- 家族通院交通費
保険屋ではこれを認めませんが裁判では認めていますので当然要求はすべきです。車使用のところはガス代を請求しています。
- 医師謝礼
これも認めませんが裁判では社会通念上、妥当と見られるところは認めています。
- 文書料(事故証明書交付料、後遺障害診断書作成料)
- 補助用具代金
杖、ケアシューズ、円座代金
- 家屋改造、バリアフリー用品代金
浴室、階段、トイレの手すり取り付け。浴槽台等。
この請求に対して半額以下の回答があったわけですが驚いたことに保険屋からの通知には後遺障害慰謝料がいくらと書かれているのに総合計には加算されていませんでした。いい加減なものです。あきれたので放っておいたら後ほどこっそり総計に算入されていました。外資の保険屋でもあるしコンピュータ使ってないんですかねぇ。さて、この初回の回答をうけて今度は9月の下旬に被害者の苦痛、支障を訴える文章を加え総額で110万円ほど下げた請求書を送りました。10月になると2回目の提示が保険屋から来まして初回の提示より数万円高くなっていましたが相変わらずこちらの請求との隔たりは大きいものがありました。ここに及んで交通事故紛争処理センターに相談をすることにしました。
まとめ
このころの請求は任意保険の水準からはかけ離れてるとはいえ裁判の判例からみるといたって常識的なものです。ハミ出てるところは不利な法定利率を使用しないということくらいです。しかしその後、被害者が被るものはそんなもんじゃ償えんと思いはじめ、判例を離れ独自な主張を紛争処理センターで展開するようになりました。
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